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2009/09/04

エンジニアたちがリマスターについて語る

ABBEY ROADではポピュラー・ミュージックでもっとも有名な横断歩道を歩いて渡るのがお約束。そして、『PLEASE PLEASE ME』から『ABBEY ROAD』までのBEATLESの全オリジナル・アルバムをデジタル・リマスターし終えたエンジニアたちに会見したときも、ノース・ロンドンのスタジオの歴史は重くのしかかっていた。

エンジニアのひとり、プロジェクト・コーディネーターのALLAN ROUSEの言葉を借りるなら、7人のチームは過去4年半の歳月を「王冠の宝石をもてあそびながら」過ごしたという。オーディオ愛好家の警報を鳴らしかねない発言だ。しかし、ROUSEとその仲間たちにはBEATLESのマスターを扱ってきた長年の経験があり、細心の敬意をもって録音音楽史上もっとも有名な525分にアプローチしたのだった。

ROUSEは1971年に学校を出てすぐEMIに入り、BEATLESのエンジニア、NORMAN “HURRICANE”
SMITHと共に仕事を始めた。レコーディング・エンジニアのGUY MASSEYとPAUL HICKSは1995年のDVD『ANTHOLOGY』で仕事をし、ROUSEと他のメンバーは1999年の『YELLOW SUBMARINE』の5.1サラウンド・サウンドとステレオ・ミックスを監修した。

彼らはたったひとつ音をいじっただけでもファンの怒りを買うことを知っていた。

「7人が関わっていたから、ひとりひとりの肩にものすごいプレッシャーがかかることはなかったね」とROUSEは言う。リマスターのモノ・バージョンの仕事をしたSEAN MAGEEは「仕事モードにならなきゃダメさ。それまでのものに当然敬意を払いながらも、基本的には他のリマスターの仕事と同じようにやるべきことをやるんだ」と言う。

「87年にリイシューされたものは今日の水準に見合わなかった。これは長らく待たれていたオーバーホールなんだよ」

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